ChatGPTを活用したオウンドメディアのペルソナ策定方法

オウンドメディアを運営していると、「なかなか反応が得られない」「記事が読まれているけど、問い合わせにつながらない」といった悩みを抱えることがあるかもしれません。
その原因のひとつとしてよくあるのが、“誰に向けて書いているのかが曖昧”なことです。
そんなときに役立つのが「ペルソナ(ターゲット像)」の策定。
そして最近では、ChatGPTを使って効率的にペルソナを作成する方法も注目されています。
この記事では、「ペルソナとは何か?」「なぜ必要なのか?」という基本から、ChatGPTを使った具体的なペルソナ策定の手順までを、実例つきでわかりやすくご紹介します。
目次
なぜペルソナが必要?
「ペルソナを設定するのって、そこまで必要?」と感じる方もいるかもしれません。ですが、実はオウンドメディアの成功において、このペルソナが“核”になる存在です。というのも、誰に向けて書くかが明確になることで、すべてのコンテンツ施策にブレがなくなるからです。
たとえば、記事のテーマ選定で迷ったとき、「この人ならどんなことに悩んでいるだろう?」「どういう視点で知りたいと思うだろう?」と考えるだけで、方向性がはっきりします。文章のトーンや言葉づかい、紹介する情報の深さ、デザインの雰囲気、さらにはSNSで配信する時間帯まで、ペルソナがいることで“その人に届ける”という前提が生まれ、判断がしやすくなるのです。
逆にペルソナが曖昧だと、「誰にも響かない無難な記事」になりがちです。結果としてアクセス数はあるのにコンバージョンにつながらなかったり、記事を量産しても方向性が定まらなかったり…という状況に陥りやすくなります。
ペルソナを明確にすることは、「届けたい人の悩みや行動を具体的に想像すること」。それが、伝わるコンテンツ作りの土台になるのです。
ペルソナの活用方法
策定したペルソナは、単なる社内資料として終わらせず、さまざまな場面で活用していきましょう。
具体的には、
- コンテンツの企画会議で「この人なら何に悩んでいそうか?」と考える
- 記事の冒頭で「○○で悩んでいませんか?」と語りかけるときの参考に
- 広告配信やSEOキーワード選定時のターゲット像として活用
- 営業資料やプレゼンで「この層に響いている」と根拠を示す材料に
など、マーケティングやライティングの現場全体に役立ちます。
ペルソナの策定方法(従来)
これまでは、以下のような手順でペルソナを策定するのが一般的でした。
- 自社の商品やサービスを利用している顧客の情報を収集する
- 実際の顧客データを集計し、年齢層や居住地域、購入動機や使用目的など、特徴を分析
- 営業担当やカスタマーサポート担当からヒアリングを行い、現場の“肌感覚”を言語化。必要に応じて、アンケートやインタビューを実施する
- 実在の顧客に近いリアルな人物像を作成し、文章化
- 常にリアルなターゲット像を保ち続けるために、定期的に見直し、改善
こうした方法は非常に丁寧で、精度の高いペルソナが出来上がる反面、とにかくリソースが必要というのが正直なところです。
特に、立ち上げたばかりのメディアや少人数のチームでは、「わかってはいるけど、そこまで手が回らない…」という声もよく聞かれます。
ChatGPTでペルソナ策定(おすすめの方法)

近年注目されているのが、ChatGPTなど生成AIを活用した、効率的なペルソナ作成です。必要な情報をもとに指示を出すだけで、驚くほどリアルなペルソナ案を数十秒で出力できるため、立ち上げ期のスピード感にも対応しやすくなっています。
ここからは、ChatGPTを活用してペルソナを効率的に作成する方法をご紹介します。。
① ChatGPTにプロンプトを入力する
まずは以下のようなプロンプトをChatGPTに入力します。会社情報の欄には、ご自身のビジネスに合わせた情報を入力してください。
中古車販売店が運営するオウンドメディアのペルソナを以下のテンプレートに沿って策定してください。
◼︎会社情報
業務内容:自分で入力(例:中古車の販売、買取)
所在地:自分で入力(例:栃木県)
期待するアクション:自分で入力(例:店舗への問い合わせ、訪問)
--
ペルソナ名(仮名):
年齢:
性別:
居住地:
職業・業種・役職:
年収・生活レベル:
家族構成:
平日の過ごし方(タイムスケジュール):
休日の過ごし方:
よく使うデバイス:
主に利用するSNS:
情報収集の手段:
興味・関心があること:
抱えている悩み・課題:
行動を起こすきっかけ:
情報に求める価値(信頼性・専門性・わかりやすさ等):
よく見るメディア・サイト:
好むコンテンツ形式(記事・動画・図解など):
閲覧時間帯・閲覧シーン:
オウンドメディアに期待すること:
接触後にとってほしいアクション(ゴール):
--
② ChatGPTが出力したペルソナ例(実際の出力結果)
上記のプロンプトを入力したところ、以下のような回答が返ってきました。
ペルソナ名(仮名): 佐藤 亮(さとう りょう)
年齢: 38歳
性別: 男性
居住地: 栃木県宇都宮市
職業・業種・役職: 建設会社勤務・現場監督
年収・生活レベル: 約450万円・堅実でコスパ重視
家族構成: 妻(専業主婦)・子ども2人(小学生)
…
平日の過ごし方(タイムスケジュール):6:00起床 → 7:00出勤 → 8:00〜17:00現場勤務 → 18:30帰宅・夕食 → 20:00風呂・テレビ → 22:00就寝
休日の過ごし方:子どもと公園や買い物、家族でドライブ、カー用品店めぐり、実家訪問よく使うデバイス: スマートフォン(Android)
主に利用するSNS: YouTube、LINE、Facebook
情報収集の手段: Google検索、YouTubeレビュー、価格比較サイト(カーセンサー、グーネットなど)興味・関心があること:維持費の安い車、コスパの良い買い物、燃費、安全性能、家族に合った車選び
抱えている悩み・課題:今の車が10年以上経っており買い替えを検討中。新車は高すぎるが、安すぎる中古車には不安もある。地方ゆえに車は必需品。
行動を起こすきっかけ:車検が近づいたとき、知人の車トラブル、家族の成長により車が手狭になったとき情報に求める価値(信頼性・専門性・わかりやすさ等):購入後のサポートや保証内容、整備履歴などの透明性。素人でもわかる説明と丁寧な接客への信頼
よく見るメディア・サイト:YouTube(車系チャンネル)、カーセンサー、グーネット、価格.com、地域のクチコミサイト
好むコンテンツ形式(記事・動画・図解など):動画(レビュー、比較、整備の裏側)、図解入り記事(維持費・税金の比較)、初心者向けの解説記事
閲覧時間帯・閲覧シーン:朝の出勤前、昼休み、夜のリラックスタイム(20時〜22時)、日曜午前中オウンドメディアに期待すること:信頼できる中古車の選び方や価格の目安、車種ごとのリアルな使用感、家族向けの車選びのヒント、店舗の雰囲気が伝わるコンテンツ
接触後にとってほしいアクション(ゴール):気になった車についてWebフォームから問い合わせ → 実車確認のために家族で来店
非常にリアルで、具体的なニーズや行動パターンが見えてくる内容になっていることが分かります。
③ 画像生成のプロンプトを入力
出力されたペルソナ像に対し、次のようなプロンプトをChatGPTに入力して、画像を生成してみます。こうすることで、よりリアルにターゲットをイメージすることができます。
今作成いただいたペルソナをイメージした画像を生成してください。
すると、このような画像が生成されました。

画像生成と組み合わせることで、プレゼン資料や企画書にも使いやすい“ビジュアル付きペルソナ”が完成します。今回は、作成したペルソナをもとにこのような資料を作ってみました。

こういった資料は、Canvaのテンプレート等で簡単に作成することができます。
👉Canvaの活用方法についてはこちらの記事で詳しく紹介予定です。(※記事公開後リンク予定)
まとめ:ペルソナ策定はChatGPTで“最初の一歩”を軽く踏み出せる
ペルソナはオウンドメディアにおいて非常に重要な要素ですが、ゼロから完璧なものを作ろうとすると、時間も労力もかかりがちです。
そんなときにこそ、ChatGPTを活用すれば、ベースとなる骨組みがサクッと作れるため、
「とにかくまず形にしてみたい」「チームの共通認識をつくりたい」という場面に最適です。
もちろん、実際の顧客データやフィードバックと組み合わせて精度を高めていくことも大切。
ChatGPTはあくまで“スタート地点”を作ってくれるパートナーとして捉えると、オウンドメディアの戦略設計がぐっとスムーズになります。