【例文付き】ライター外注業務を楽にする!マニュアルの作成方法

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「記事のトーンがライターごとにバラバラ…」
「H2やH3の使い方に統一感がない…」

オウンドメディアやWebメディアを外部ライターと一緒に運営している方なら、一度はこんな悩みにぶつかったことがあるのではないでしょうか?

こうしたトラブルの多くは、「ルールが共有されていない」ことが原因です。
口頭やチャットで伝えていたとしても、ライター側が忘れていたり、独自解釈で進めてしまったりすることも少なくありません。

その解決策として有効なのが、「ライティングマニュアル(執筆ルール集)」の整備です。この記事では、ライティングマニュアルに記載しておくべき項目や、マニュアルの配布方法についてご紹介します。

目次

ライティングマニュアルはなぜ必要?

マニュアルを最初に共有しておくことで、

  • 執筆時の迷いが減る
  • ライター側のストレスが軽減される
  • 編集側の修正作業が大幅に減る
  • 品質が安定する

といったメリットがあります。

執筆のルーツを統一することで、記事の品質を一定に保つことができ、メディアに信頼感を与えることができます。特に複数のライターとチームで動いている場合や、今後執筆者が増える可能性があるメディアでは、早い段階での整備をおすすめします。

ライティングマニュアルに記載するべきこと

では、具体的にライティングマニュアルにはどんな内容を記載すればよいのでしょうか?
以下に項目ごとに詳しく解説していきます。

コンテンツの目的やペルソナ、期待する行動などの基本情報

ライターに最初に共有しておきたいのが、「このメディアは誰に向けて、何を伝え、どんな行動を促したいのか」という基本的な前提です。
この部分を曖昧にしたまま依頼すると、内容はよくても“ずれた記事”になってしまい、最終的にリライトが必要になるケースも多くなります。

たとえば、「30代の女性・地方在住・子育て中の主婦」を対象とした場合、文章のトーンも情報の深さも、「専門的な解説」より「共感や安心感」を重視するべきでしょう。

また、「このコンテンツの目的は何か?」を明確にしておくことも重要です。
商品の購入、資料請求、メルマガ登録、SNSでの拡散など、ゴールに合わせて“導線”の作り方も変わるため、ライター側が構成を考えるときに非常に参考になります。

基本情報の記載例:

  • 対象読者(ペルソナ):30代女性/地方在住/子育て中の主婦/スマホ中心で情報収集
  • コンテンツの目的:日常の悩みに寄り添い、SNSで共感・拡散される記事を作る
  • 期待するアクション:記事末でメルマガ登録を促す、LINE公式アカウントに友達追加をしてもらう

このように“誰に・何のために・どうしてほしいのか”を明文化しておくだけで、ライターの理解度と執筆精度は大きく変わります。

ペルソナについてはこちら
ChatGPTを活用したオウンドメディアのペルソナ策定方法
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文体

文体(トーン&マナー)の指定も非常に重要です。
「読みやすければ何でもいい」と思われがちですが、メディアの世界観やブランドイメージを保つためには、文体の統一が欠かせません。

よく使われるのは以下のパターンです:

  • 「です・ます調」(敬体):一般向けの記事や読み物系に多く、親しみやすさを出したい場合に適しています。
  • 「だ・である調」(常体):ビジネス系や専門記事に多く、論理的で信頼性を重視する記事に向いています。

また、「会話調やくだけた表現はどこまで許容されるか?」も明記しておくと、執筆時のトーンに迷いが生じにくくなります。

たとえば、「初心者向けの記事では“ちょっと不安になりますよね?”のような語りかけ表現はOK」「法人向けの記事ではです・ます調でも文体はあくまで丁寧に」といった細かなトーンガイドを添えておくと、記事の質がぐっと安定します。

文体の記載例:

  • 低年齢層の読者をターゲットにしたゲームの攻略情報サイトとなります。基本は「ですます調」で!や!?を多用し、親しみやすい文体としてください。
  • 絵文字は文字化けの可能性があるため、使用しないでください。
  • タイトルには「必見!」や「要注目!」など読者の興味を惹くような単語を使用してください。
  • 記載例)
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文字数(タイトル、本文)

文字数に関するルールは、SEO対策や構成設計に直結する要素です。
特にタイトルは、検索結果で切れてしまわないように32文字以内本文は3,000〜4,000文字程度など、具体的な目安を示しておくと、ライターも安心して執筆できます。

また、構成案の段階で「H2ごとにおよそ何文字程度を目安にしてほしいか」「導入文は400文字前後で読みやすく」など、セクションごとの目安を出しておくのも効果的です。

例:

  • タイトル:32文字以内。検索で見切れないように。
  • 導入文:400〜500文字程度。共感や結論を先に提示。
  • 本文:合計で3,500文字前後。ただし、読みやすさ重視でOK。

このようなガイドがあることで、記事の長さがバラつかず、校正の手間も減ります。

文字数の記載例:

  • 検索画面での表示文字数を考慮し、タイトルは32文字以内としてください。
  • 導入文は3〜5行程度で、最初に「〇〇で悩んでいませんか?」と呼びかける形にしてください。
  • 本文は3,000文字以上としてください。多い分には問題ありませんが、3,000文字以下となってしまう場合はご相談ください。

使用可能な見出し・タグ

WordPressやCMSで構成されたWeb記事では、見出しタグの使い方がSEOや可読性に直結します。

推奨するタグや使用の可否についてもマニュアルに明記しておきましょう。

例:

  • 使用可:H2、H3、H4
  • 使用不可:H5以降(読みづらくなるため)
  • 見出しの使用例:「まとめ」や「注意点」はH2、「詳細な理由」や「具体例」はH3
  • 箇条書きにはulタグを使用する

また、文章作成に慣れていないライター向けには、サンプル構成や実際の記事リンク、スクリーンショットなどを添えると、より理解しやすくなります。

使用可能な見出し・タグの記載例:

  • 使用可能な見出しタグはH2、H3、H4までとし、H5以降は使用しないでください。
  • 見出しタグを使用する際は階層を守ってください。(H2のあとに直接H4を使わない)
  • 箇条書きを使用する際は箇条書き(ul)タグ、順番を記載する際は段落番号(ol)タグを使用してください。

画像使用時のルール

画像は著作権に関わるため、使用可否・出典の記載方法・フォーマットなどを明確にしておく必要があります。

たとえば、

  • 使用可能な素材サイト:O-DAN、Pixabay、Pexels など(商用利用可/クレジット不要)
  • 有料素材は使用不可。使用が必要な場合は編集部に事前相談をすること
  • alt属性の付与や画像のリサイズ指定(例:横幅は1200pxまで)

また、画像ファイルの命名ルール(例:media_keyword_01.jpg)なども整えておくと、納品後の整理がしやすくなります。

画像使用時のルールの記載例:

  • 画像を使用する際は、フリー素材サイト(写真AC、Freepik)を使用の上、クレジットを必ず表記するようにしてください。
  • サムネイルに使用する画像のサイズは1920×1080とし、必ずjpg形式で納品してください。
  • 画像ファイル名は、キーワードのローマ字表記_日付_掲載順.jpgとし、全てまとめてzipファイルで納品してください。
    例) gamekouryaku_250501_01.jpg、gamekouryaku_250501_02.jpg

引用時のルール

引用は信頼性と著作権に関わる重要な要素です。無断転載にならないよう、正しい引用方法をマニュアルに明記しておきましょう。

基本ルールとしては:

  • 引用は原文のまま。文章を改変して使わない
  • 引用文の前後に出典を明記(「出典:〇〇」)
  • 引用元のタイトル・運営者・URLをできるだけ記載
  • 自社メディアの過去記事を参照する場合も、「参考:記事タイトル(リンク)」などを記載する

さらに、HTML記述を使う場合は blockquote タグの使用や CSS クラス指定なども伝えておくと、デザイン面でも統一が取れやすくなります。

例文もマニュアルに含めると、ライターが「どう書けばいいのか」がより明確になります。

引用時のルールの記載例:

  • 引用部分は『』で囲み、必ず出典元(URLまたは文献名)を明記してください。
  • 画像も同様に、キャプチャ画像を使用する際は、必ず出典とURLを明記してください。
  • 引用部分を一部改変するなどして自分の文章として紹介することは絶対にしないでください。
  • 例)引用文の記載例
    『ここに引用した文章が入ります。ここに引用した文章が入ります。ここに引用した文章が入ります。ここに引用した文章が入ります。』(引用元:http://xxx.com)

生成AIについて(完全禁止?補助的に使用可?)

近年、多くのライターがChatGPTなどの生成AIを活用しています。そのため、AI活用に関する方針をあらかじめ明確にしておくことがトラブル回避につながります。

例:

  • 完全に禁止(人力執筆を前提とする)
  • 補助的な使用は可(構成案のみ、文章は人力で)
  • 使用可。ただし、必ずファクトチェックを行うこと
  • 使用した場合はその旨を編集部に報告すること

生成AIを使う/使わないに関わらず、「読者に信頼される情報であること」を重視する姿勢を伝えておきましょう。

生成AIの使用ルールの記載例:

  • 生成AIは、見出しの作成、誤字脱字を確認する目的でのみ使用可能です。
  • 生成AIで作成した文章は誤った情報を含んでいる場合があります。ファクトチェックや情報収集には使用しないでください。

不明点の問い合わせ先

ライターが迷ったとき、どこに・誰に・どの手段で連絡すればよいのかが分かっていないと、作業がストップしてしまう原因になります。

以下のように明記しておきましょう:

  • 質問はChatworkで〇〇宛にお願いします(平日10:00〜18:00対応)
  • 長文での相談や添付ファイルがある場合は担当者までメールください
  • 原則として、クラウドソーシングサービスのメッセージボックスまでご連絡ください

社外ライターとのやりとりなら、対応可能時間帯や返信までの目安も記載しておくと安心です。

不明時の問い合わせ先の記載例:

  • 記事作成について不明点がある場合は、Chatworkで〇〇(ID:XXX)に連絡をお願いします。平日の10:00〜18:00でしたらリアルタイムで対応可能です。

ライティングマニュアルのフォーマット(メリット・デメリット)

では、ライティングマニュアルはどんな形式で作成・共有するのがよいのでしょうか?
実際に運用されている主なフォーマットと、それぞれの特徴をご紹介します。

Google Docs

もっとも手軽に使えるライティングマニュアルの形式が、Google Docs(ドキュメント)です。共有はURLを渡すだけで完了し、ライターがリアルタイムで閲覧・編集状況を確認できるのが大きな強みです。コメント機能を使えば、質問や補足説明をその場で書き込めるため、やりとりのスピード感も上がります。

一方で、ドキュメントの変更履歴が見えにくいという点には注意が必要です。特に複数人で編集していると、「どこが変わったのか」「いつ更新されたのか」がわかりにくくなることがあります。そのため、マニュアル内に“最終更新日”を記載しておくことが必須です。

頻繁に更新があるメディアや、複数の外部ライターが関わるプロジェクトでは、柔軟性と共有のしやすさの点で非常におすすめのフォーマットです。

Word / Excel

紙での配布やPDF化を前提とする企業案件、あるいは社内ネットワークの制限でGoogleツールが使えない場合などには、WordやExcelといったOffice系のフォーマットも有効です。
特にチェックリスト形式のマニュアルを作りたいときや、印刷して読み合わせをする場面では、ファイルベースでの管理がしやすく便利です。

ただし注意点として、修正や更新が発生した際に最新版がライター全員に届かない可能性があります。誰かが古いファイルを参考にしてしまうと、意図しないミスが生まれてしまうリスクも。
そのため、更新を行なった際の共有や通知の流れをあらかじめ整備しておくことが大切です。

メディア内の非公開ページ

自社のオウンドメディアやWordPressを活用している場合には、CMS内に「マニュアル用の非公開ページ」を作成するという方法もあります。
ライターにログイン用の権限を共有したり、パスワード付きの記事を使用したりすることで、記事執筆と同じ画面・レイアウトでマニュアルを確認でき、タグの使い方や記事構成の“実際の見え方”がよりイメージしやすいという利点があります。

常に最新の状態が反映されるため、誤情報のリスクが少なく、マニュアルのアップデートも編集者側で簡単に行えます。

ただし、CMSに慣れていないライターや、都度ログインが必要な環境に負担を感じるライターもいるため、閲覧にハードルを感じさせない配慮も必要になります。
特に、タグ構造や引用ルールなどをビジュアルで示したい場合に適した方法です。

まとめ:ライティングマニュアルは「伝えるコスト」を減らす最強ツール

外注ライターとスムーズに、かつ高品質な記事制作を続けるためには、ライティングマニュアルの存在が欠かせません。
“書き手の不安”をなくし、“編集側の手間”を減らす——その両方を実現できる、いわば「共通言語」です。

Chatや口頭ではどうしても曖昧になりがちなルールも、一度マニュアルとして言語化しておくことで、何度も説明する手間が省け、全体の品質も安定します。

まずは小さなマニュアルからでもOKです。これを機に、「自社メディアらしさ」を言語化してみてはいかがでしょうか?

こんなお悩みありませんか?

「コミュニティを立ち上げたいけど、何から手をつければいいか分からない」
「オウンドメディアを立ち上げたけど、継続した更新が難しい」
「自社サイトに決済機能を導入したい」

Angle Inc.では、メディアやコミュニティの立ち上げ、運営支援を行っています。集客、運用からツールの活用方法まで、お困りのことがあればお気軽にお問い合わせください。

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