オウンドメディアの運営費用っていくら?外注する場合、しない場合を考える

「オウンドメディアを始めたいけど、実際どのくらいお金がかかるの?」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
オウンドメディアは、ただ立ち上げれば成果が出るものではありません。“育てていく”ことが何より大切です。だからこそ、初期費用だけでなく、運用を続けるための費用をしっかり把握しておくことが成功への第一歩になります。
この記事では、オウンドメディアを自社で運営する場合と、外部に委託する場合に分けて、具体的な費用感や注意点、どんな費用がかかるのかをわかりやすくご紹介します。
サイトを作る際の初期費用について知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。

目次
- オウンドメディアの“運営費用”とは何にかかる?
- 自社で運営する場合の費用感とポイント
- 外注する場合の費用感とポイント
- 外注する際の業務内容
- 外注先を選ぶときのポイント
- コンテンツ制作を依頼するときの注意点
- まとめ:費用は“成果に対する投資”として考えることが大切
オウンドメディアの“運営費用”とは何にかかる?
まず、「運営費用」とは何かを整理しておきましょう。
オウンドメディアの運営では、以下のような項目に費用がかかってきます。
- 記事コンテンツの制作(ライティング・編集)
- ディレクション(企画・進行管理)
- Webサイトの保守管理(サーバー・ドメイン・セキュリティなど)
- 画像制作やバナー作成などのクリエイティブ業務
- アクセス解析・改善提案などのマーケティング運用
- リスティング広告などの広告費用
運営に関わる作業をどこまで自社で行うか、どこから外部に依頼するかによって、必要なコストは大きく変わってきます。
自社で運営する場合の費用感とポイント
コストを抑えられるが、時間とリソースが必要
すべての作業を自社でまかなう場合、外注費用はかかりません。
そのため、一見コストを抑えられるように思えますが、注意したいのは「見えないコスト=人件費や時間」です。
たとえば、慣れないうちは1記事書くのに2〜3時間かかるとして、週1本更新するなら月10時間以上の作業時間が必要になります。さらに、キーワード選定、構成作成、画像選定、公開作業…と考えると、片手間ではなかなか回らなくなってくるのが実情です。
実際の想定費用(自社対応)
- サーバー・ドメイン費用:月1,000〜2,000円(年1〜2万円程度)
- 執筆や編集にかかる社内人件費:1記事あたり5000〜1万円相当(※時間単価換算)
- 画像素材やツール利用料(必要に応じて):月数千円程度
月間の実質的な運営費用:数万円前後(人件費を含めると3〜5万円以上になることも)
「時間に余裕がある」「メディア運用の経験がある」「少人数で試験的にスタートしたい」場合は、まずは自社運営から始めて、徐々に体制を整えていくのが現実的です。
外注する場合の費用感とポイント

プロの手でクオリティの高い運用が可能に
自社内でリソースを確保するのが難しい場合や、立ち上げ初期からプロ品質で成果を出したい場合は、外部への依頼が効果的です。
特に、戦略設計からコンテンツ制作、公開後の分析・改善までをトータルで任せられる外注先があると、スピード感を持ってメディアを成長させることができます。
ただし、費用は相応にかかります。依頼範囲によって大きく変わるため、どこまで任せたいかを明確にしておくことが大切です。
外注した場合の業務内容と費用感の目安
外注する場合は、「どの作業を依頼するか」によって費用が大きく変わります。下記は主な業務内容とその相場感の一例です(あくまで目安となります)。
業務内容 | 相場(税別) |
---|---|
コンテンツ制作(1記事) | 3,000〜6万円程度(構成込み) |
編集・ディレクション | 月5万〜15万円(記事本数により変動) |
SEO対策・分析レポート | 月5万〜10万円程度 |
サイト保守・技術サポート | 月1万〜3万円程度 |
全体運用代行(パッケージ) | 月20万〜50万円以上も(規模により変動) |
リスティング広告 | 月5万〜数十万円(運用代行手数料+広告出稿費) |
外注する際の業務内容
コンテンツ制作(1記事)
主に記事の構成案づくりから、本文のライティング、画像選定などを含む業務です。
オウンドメディアの主軸となる“記事”をプロのライターや編集者が作成するため、読みやすく、SEOも意識された質の高いコンテンツが期待できます。
専門性が高いジャンルや取材が必要な場合は、料金が高くなる傾向があります。
編集・ディレクション
コンテンツ全体の品質を保つために、記事のチェックや修正、公開スケジュールの管理、ライターとのやりとりなどを担う役割です。
複数人での制作体制を取る場合や、継続的に記事を更新する体制をつくりたい場合には欠かせないポジションであり、編集者・Webディレクターの外部委託が選ばれることもあります。
SEO対策・分析レポート
検索エンジンからの流入を増やすために、キーワード調査、記事タイトル・構成の最適化、公開後の順位チェックや改善提案などを行う業務です。
コンテンツをただ書くだけではなく、「どうやって読者に見つけてもらうか?」という戦略的な視点でサポートしてくれるため、中長期的な集客力を高めたい場合には非常に有効です。
サイト保守・技術サポート
WordPressサイトを安定して運用するための、セキュリティ対策やバックアップ、プラグインの更新、表示速度の最適化などの技術面のサポートです。
社内にWebの専門知識がない場合は、こうした保守管理を外注することで、トラブルの際にも安心して対応できます
リスティング広告
Google広告やYahoo!広告などで検索結果や関連サイトに広告を表示し、自社サイトやオウンドメディアへのアクセスを短期的に増やす施策です。
SEOとは違い、即効性があるのが最大のメリットですが、広告費はクリックごとに発生するため、一定の出稿費用がかかります。
運用代行を依頼する場合は、広告の設計・キーワード選定・予算配分・効果分析・改善提案などを行ってくれます。費用は「運用代行手数料+実費の広告出稿費」が基本です。
全体運用代行(パッケージ)
記事制作、編集、SEO、Web管理などをまとめて外注することもできます。
「ノウハウがない」「リソースがない」「立ち上げから任せたい」という企業に向いており、戦略設計から運用改善までプロに一括で任せることができるのが最大のメリットです。
費用はやや高めですが、一定の成果を早期に狙いたい場合や、コンテンツマーケティングに本腰を入れたい場合には、費用対効果の高い選択肢といえるでしょう。
このように、外注する範囲を必要に応じて選ぶことで、無理なく・効果的にオウンドメディアを育てていくことが可能です。
「すべて外注するのは難しいけど、記事だけプロにお願いしたい」といった部分的な依頼から始めるのもおすすめです。
ハイブリッド運用という選択肢もある
最近では、自社と外注を組み合わせる「ハイブリッド型」で運用するケースも増えています。
たとえば、記事の構成やキーワード選定だけを外部に依頼し、執筆は自社の担当者が行うといった方法や、コアとなる記事だけ外注して、日々の更新は内製で回すといったスタイルです。
この方法なら、コストを抑えつつ、プロのノウハウを取り入れることができるので、「費用とクオリティのバランスを取りたい」という場合におすすめです。
外注先を選ぶときのポイント

外注を検討する際に最も悩むのが、「どこに頼むべきか?」という点ではないでしょうか。
オウンドメディアの運営は長期的な取り組みになるため、一度きりの依頼ではなく、“信頼して継続できるパートナー”を見つけることが大切です。
以下のような観点で比較・検討するのがおすすめです。
- 得意分野や実績が自社とマッチしているか
(例:BtoBに強い/採用メディアの経験が豊富など) - 記事のクオリティだけでなく、戦略や提案もしてくれるか
(構成案やキーワード選定、読者目線での改善など) - コミュニケーションのスムーズさ
(連絡のレスポンス、相談しやすい雰囲気なども重要です)
また、最初は小規模なプロジェクトや単発記事でテスト的に依頼してみて、相性を確認したうえで継続契約に移行するという進め方も安心です。
コンテンツ制作を依頼するときの注意点
オウンドメディアの運用業務の中でも、外注しやすいのが「コンテンツ制作(ライティング)」です。
とはいえ、ただ「記事を書いてください」と丸投げしてしまうと、意図とズレた記事が納品されてしまったり、修正が多くなったりして、結果的に時間もコストもかかるということも。
そこで重要になるのが、あらかじめルールや方針を共有しておくことです。
具体的には以下のような点を明確にしておくとスムーズです。
- 読者ターゲット(誰に向けた記事か)
- 記事の目的(認知拡大?CV獲得?)
- トンマナ(語尾や言葉づかいのルール)
- 参考にしてほしい記事や避けたい表現
- 禁止事項や表記統一のルール など
こうした内容を整理した「ライティングマニュアル」があると、ライターが迷わず制作でき、質の安定につながります。
複数のライターに依頼する場合でも、マニュアルがあればトーンや構成のブレが少なく、社内でのチェックも効率的です。

初めて外注する場合は、1記事ごとにフィードバックを返しながら、少しずつ“理想の形”に近づけていくという姿勢も大切です。
「一緒に作っていく」意識を持ってパートナーと向き合うことで、長く付き合える信頼関係を築けるはずです。
まとめ:費用は“成果に対する投資”として考えることが大切
オウンドメディアの運営費用は、自社で行えば月数万円以内に抑えられることもあれば、外注すれば月20万〜50万円以上かかることもある、非常に幅の広いものです。
ですが重要なのは、「いくらかかるか」だけではなく、“その費用でどんな価値が得られるのか”を考えることです。
時間が取れないのに無理に自社で回そうとすると、更新が止まってしまったり、質が下がったりすることも…。逆に、ある程度費用をかけてでも、成果に直結するメディアが育てば、大きなリターンにつながります。
まずは目的や体制に合わせて、どこにどれだけの予算をかけるべきかを見極めましょう。
そして、必要に応じて自社・外注のバランスを調整しながら、無理のない運営スタイルで継続していくことが、オウンドメディア成功のカギです。