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OSINTとは? 歴史と事例から読み解く“公開情報の力”

OSINTとは? 歴史と事例から読み解く“公開情報の力”
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SNSの投稿やGoogleマップの画像が、ニュースの調査や事件の手がかりになる。
最近、そんな話題を目にする機会が増えていませんか?

これらはすべて、「OSINT(オシント/オープンソース・インテリジェンス)」という情報収集の手法に関係しています。
一部では軍事やスパイ映画のようなイメージを持たれることもありますが、実は私たちの身近なところでも活用されているのです。

この記事では、OSINTとは何か、どんな歴史があるのか、そして最近話題になった事例まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。

OSINTとは?

OSINT(Open Source Intelligence/オープンソース・インテリジェンス)とは、一般に公開されている情報を収集・分析して、有用な情報に変換する手法のことです。「オープンソース」といっても、プログラムの話ではなく、“誰でもアクセスできる情報”という意味です。

例えば以下のようなものがOSINTの情報源になります:

  • 新聞、テレビ、雑誌などの報道
  • SNSの投稿やコメント(X[旧Twitter]、Instagramなど)
  • ブログや掲示板
  • 企業のWebサイト、プレスリリース
  • Google EarthやStreet Viewなどの地理情報サービス
  • 公開されている政府のデータ、特許情報など

つまり、特別なアクセス権や裏ルートを使わず、「公開されている情報だけで“見えないもの”を読み解く」のがOSINTです。探偵のようでもあり、ジャーナリズムやリサーチの世界でも注目されています。

OSINTの歴史と広がり

OSINTという言葉こそ最近耳にするようになりましたが、その考え方自体は決して新しいものではありません。情報戦の世界では、第二次世界大戦のころから「公開情報をどう活用するか」が重要視されてきました。

実際、アメリカでは1940年代に、敵国の新聞やラジオ放送、出版物などを分析する専門機関が存在しており、これが現代のOSINTの源流とされています。その後、冷戦時代にも各国の政府や情報機関が、新聞、テレビ、科学雑誌などのオープンソース情報を解析し、戦略的な意思決定に活かしていました。

インターネットの登場と普及により、OSINTはさらに大きく進化します。誰もがSNSで情報を発信し、地球の裏側の出来事でもリアルタイムで確認できるようになった現代では、専門家だけでなく、一般の人々もOSINT的な情報収集を行う時代になったと言えるでしょう。

最近では、ウクライナ情勢や災害時の被害状況、さらには企業のリスク調査やサイバーセキュリティの現場でもOSINTが活用されており、国家、企業、メディア、市民がそれぞれの目的でOSINTを使いこなす時代に突入しています。

話題になったOSINTの事例

OSINT集団 bellingcat

OSINTは、ニュースやSNSでの話題をきっかけに一般にも注目されるようになってきました。ここでは、近年話題になった具体的な事例をいくつか紹介します。

ウクライナ戦争における市民による情報分析

2022年に始まったウクライナ戦争では、一般の市民や研究者がTwitterやTikTokに投稿された映像、Googleマップの衛星画像などを分析し、軍の移動や被害状況を特定するといったOSINT的な行動が大きく注目されました。

特に有名なのが、国際的な調査団体「Bellingcat(ベリングキャット)」による活動です。彼らはSNS投稿の位置情報、写真の影の角度、建物の形状などから、爆撃がどこで起きたのかを特定するといった高度な分析を行い、国際的なメディアでも多数取り上げられました。

SNSから特定された有名人の位置情報

もう少し身近な話題では、SNSに投稿された画像や背景情報から、投稿者の居場所が特定されてしまうという事例もあります。たとえば、インフルエンサーが投稿した「何気ないカフェの写真」から、看板のデザインや背景の建物をもとに場所が特定され、プライバシー侵害が問題になったケースも。

これは悪用されると危険ですが、逆に言えばSNSの投稿には“意図しない情報”が多く含まれているという気づきを与えてくれます。

災害時の被害状況の即時把握

また、災害発生時にもOSINTは有効です。地震や台風の際に、被災者がSNSで投稿した動画や写真、地図情報を元に、どの地域でどのような被害が起きているのかを迅速に把握する取り組みが広がっています。これは行政だけでなく、ボランティアや支援団体にも役立つ手法となっています。

OSINTは誰でもできる?注意点と可能性

ここまで読んで、「OSINTって、専門家じゃなくてもできるの?」と思った方もいるかもしれません。結論から言うと、OSINTは専門知識がなくても、誰でも取り組める情報収集の手法です。インターネット環境があれば、検索、SNS、地図サービスなどを使って、必要な情報にたどり着くことができます。

とはいえ、やってはいけないことや注意点もあるのがOSINTの世界です。

たとえば、個人の位置情報を特定することができても、それを公開したり悪用したりすれば、プライバシー侵害や法的トラブルに発展する可能性があります。また、誤った情報に基づいて断定的な発信をしてしまうと、デマの拡散にもつながりかねません。

そのため、OSINTを活用する際は、情報の信頼性を慎重に見極める力や、扱う情報への倫理的な配慮が欠かせません。「調べられるからやっていい」ではなく、「調べた結果をどう使うか」が大切なのです。

一方で、使い方を間違えなければ、OSINTは非常に強力なツールです。たとえば、企業の競合調査、マーケティング、リスク分析、災害時の情報収集、さらには報道・ジャーナリズムの現場でも活用されており、ビジネスにも社会貢献にも役立てることができる可能性を秘めています。

まとめ

OSINT(オープンソース・インテリジェンス)は、インターネットや公開情報から有益な情報を見つけ出すための手法です。
昔は国家レベルの情報戦に使われていたこの考え方が、今ではSNSや地図サービスを通じて、誰でも使える技術として広がりを見せています。

SNS投稿から災害の被害状況を把握したり、Googleマップで遠くの戦場の様子を調べたり、OSINTの活用範囲は日々広がっています。一方で、情報の扱い方を間違えると、プライバシー侵害や誤情報の拡散につながる危険性もあるため、リテラシーと倫理的な意識が求められる分野でもあります。

情報があふれる現代において、OSINTはただの“調べもの”ではなく、「情報の力で何ができるか」を考えるための大切なスキルです。
正しく使えば、社会をよりよくするヒントや解決策を見つけるきっかけになるかもしれません。

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